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早いものやなあ。あれから2年や。「失敗は成功のマザー」と書いてからあっという間に2年間が経ってしもうた。いろいろ有ったなあ。 「店頭市場は死んだか」とか言われてたのが様変わりになって、「ITブーム」は「ITバブル」に変わり、光通信の重田社長はベンチャーの旗手から詐欺師呼ばわりされるようになってしまった。ナスダックジャパンなんてのができて、店頭市場はJASDAQになって、店頭市場の時価総額1位も、ソフトバンク→光通信→日本オラクル→ヤフーときて、今や日本マクドナルドやったりする。株式市場の大底と思われた98年10月を日経平均は割りこんで、1万円の大台も一時割りこんでしまった。失われた10年から何も変わっとらん証拠やて。そんなことないで。大手15行と言われていた都市銀行。今やたったの6つや。紙屋もセメント屋も石油屋もみんなくっついてしまった。株式市場もそうや手口見てみい。銘柄によっては松井とか、マネックス、いー・トレードなんてのがずらりと上位に並んどる。 来年も不景気になりそうやなあ。多分そうなんやろう。でもなあ、それでも伸びる会社はあるんやで。デフレスパイラルとかいうてもな。経済がゼロになるとこまではいかんで。土地の値段、今から半分になったらどないする? 家買おうか考えるやろ。テレビもパソコンも電子レンジもエアコンも車もあるんやろ。みんな豊かなもんや。株は下がった、下がったゆうてもな、毎年大化けする銘柄があるもんや。成長企業に頑張っているところがあれば、大企業だって復活するところがある。日産や兼松見てみい、やればできるんや。そごう潰れてどうなった?有楽町のそごうはカメラ屋になって大入りやで。 「オレオレ OTC」始めたのは98年やもうすぐ4年になる。あん時はワールドカップやったなあ。来年はまたWCイヤーや、しかも日本でやで。冬のオリンピックもあるで、日の丸飛行隊の再現や、「オレオレ ジャパン」や。くすぶっとってもしゃあないで。景気が悪いとか、政治が悪いとか言っとっても始まらんのや。やる気の無い奴はほっときゃいい。弱気ゆうのがインテリやないで。わしらオマンマ食っていかにゃあならんのや。もう一回、がんばろうやないけ。 とはいえ、まだわしもちょとリハビリ中や。ボチボチ行くさかいな。出だしから力み過ぎると腰に悪いかんな。ほな、またな。
まあ昔から「失敗は成功のマザー」というように、今度、東証にできたマザーもそんなところから来たんでしょうね。これからの21世紀を担う、いわゆる一つのネットビジネスなどという、そのなんていうか、ベンチャー企業というんですか、まあその高校球児が集まる汗と涙の甲子園みたいな市場だそうですね。ネットビジネスといっても、あれですよそのいわゆるマウス講のようなものとは違うんですよ。そうですインターネットですね。中山美穂ちゃんもやっている、あのボタン一つでショッピングなんかもできちゃうあれですね。甲子園、いいですね。血が滾ります。青春真っ只中の高校球児が泥塗れになってがむしゃらに戦う、まさにメークドラマのオンパレードですね。 一生懸命やることが大事なんです。失敗してもいいんです。そしていつの日か、プロ野球のスターとして輝く日が来るんですね。でも、それまでは、練習、練習ですよ。決してアイドルになってなってはいけませんよ。素振りと走り込みこれです。基本が大事です。そうそうビットバレーには、走り込むのには絶好の坂がたくさんあるじゃないですか。フェラーリに乗るなんてのは、1軍で打率3割を打ってからでいいんですよ。ビジネスですからね、利益が上がらないといけないんですよ。Jリーグだってそうでしたよね。パーッと人気が出て、みんな1億円プレーヤーになって、今どうですか、解散とか合併なんて惨めですよ。コマーシャルにでるとか、テレビのバラエティー番組に出るなんて後回しです。実力を付けることが大事ですよ。ちょっとちやほやされても、天狗になっちゃ駄目ですよ。仲には悪い人もいるんですから、にこやかに近付いてくるソーカイヤさんなんて人もいるんですよ、見分けがつきますか? さあ、がんばろう若きベンチャー経営者諸君。諸君に日本の将来がかかっているんだ。でも皆が本当に期待しているのは、単なるキャピタルゲインではないんだ。お立ち台ギャルのように一時のブームで終わるのか、日本のマザーとなるのか、諸君のこれからの努力次第だ。武田鉄也のおふくろさんが言っていたように、ひたすら働くことが大事なんだ。
終わりそうで終わらないフィーバー相場。店頭平均が2100円から1800円に落ちたときは、調整は長期化するなんて言っている人もいましたっけ。でも週明けにもまた2000円に戻しそうですね。 いろんな人に意見を聞いてみました。みなさん、一致していることは主力銘柄は割高だということです。しかしまあ、皮肉なもんですね。1年くらいまえ「店頭株は割安だーーーっ!!」と言われていた頃は全然あがらなかったのに、割高と言われるようになってからのほうが店頭株はどんどん上がってます。そんなもんなんでしょう。短期的には割安か割高かという冷静な判断よりも、人気という正体のわからない流れのほうが勝ってしまうんですね。1年前に店頭株が上がらなかった頃も「人気がないから上がらない」「上がらないから人気がない」という堂々巡りでしたからね。 じゃ、これからどうなるの??これには、いろいろな意見がありますね。「今みたいな状態がそんなに長く続く訳ではない」これは常識的な見方でしょう。「これから景気が好くなるので、下がらない」そうかもしれない。「君ね、インターネットだよこれからは、すばらしい世界だよ」あなたに、そういわれるとそろそろおしまいのような気がしてくる。「上がる株もあれば下がる株もある。指数の動きは一部の値嵩株の影響が大きすぎてわかんない」なるほど。 みんなが困っているのは、割高なのに下がらないどころか、上がり続けているということなんですね。割安なものが上がって、割高なものが下がる、これなら合理的な動きですし、どこまで行きそうかという目処も付く。でも逆の場合、どこまでいくか見当も付かないということなんでしょう。ネット株なんかは買っている人は割高だとは思っていないんですかね。ちょっと探してみたけどそういう人いないんですよね。ヤフー、ソフトバンクテクノ、トレンドマイクロ、こんな銘柄を今の水準でも割安だと論理的説明できるかた、どっかにいないでしょうか。 一つ言えることは、ベンチャー企業の育成が「国策」になったということでしょう。むかしから「国策は買い」ともいいますからね。初代委員長もいつのまにか国策の推進者になられたわけです。さて、なに買いましょうか。これも皆さん意見が割れます。ネット関連一本勝負という人、ここからは設備投資関連という人、出遅れ割安株という人、まあそれぞれごもっともでして、お好み次第なんでしょうか。ただ、1年前と比べれば、ほとんどの銘柄で下落リスクが格段に大きくなっていることは確かでしょう。「全体の動きに惑わされず、下がっても自信を持っていられる銘柄」という言葉は、これから重要になってくるんでしょうね。 とりとめの無い話ですみません。それじゃ。
気がつけば、8月も終わり。日が暮れると大分涼しくなってきました。でも、店頭市場はまだまだ熱いままです。熱い店頭市場を前に、今年の店頭関係者には夏休みが無い人も少なくないようです。 今の店頭市場の状況を一言で言えば「成長期待」です。あくまで期待ですから、あんまり細かいところまでよく判らないほうが想像力が働くので良いようです。最近公開した社歴の浅いベンチャー企業なんてピッタリです。経常利益が数億円でも、数百倍のPERまで買えば、時価総額の大きな企業が出来上がります。そのような銘柄が店頭市場では時価総額上位にズラリと並びます。アナリストの説明では、時価総額上位20の半分が、ここ1年で公開した企業だそうです。決して日本アムウェイとか日本エアシステムが上がっている訳ではないんです。理想科学工業だって忘れられかけているんです。ソフトバンクテクノとかグッドウィルなんて時価総額が2千億円くらいあります。これは大体、経常利益が100億円くらいある企業に匹敵するんだそうです。今の利益が数十倍になることをすでに織り込んでいるといえます。 だから、このような成長株は「割高だし投資をしないほうが良い」なんて言うつもりはありません。きっと、まだまだ上がるんでしょう。だってそう信じている人がたくさんいますし、企業側もその期待を今のところ裏切っていませんから。 店頭平均が底値から3倍になり、ニューフェースが引っ張る今の店頭市場は、もはや「回復相場」とは呼ぶべきでは無いのかもしれません。店頭市場は新たな成長ステージに突入したと考えたほうがいいのでしょう。もちろん調子には乗らないほうがいいですよ。「もう割安ではない」「ここからの上昇には明確な景気の回復が必要」「新規公開市場は過熱しているから危険」。と繰り返してきた慎重派アナリストたちまでもが「店頭平均は2000円を目指す」なんて言い始めてます。 もう一度頭のなかを整理してみましょう。今、日本で起こっている情報通信分野のドラスティックな変貌という事実。株式市場で期待されている企業の実力と可能性(現実と期待)とそれに見合う株価。成長性が高いからといって株価がいくら高くても良いわけではありません。逆に言えば成長性がそれほど高くなくてもそれなりに妥当な株価はあるはずです。そろそろ四季報も出てくるころです。成長性を信じ、高PER銘柄を追撃するもよし、いつか評価されることを期待して評価不足の割安株をじっくり持つもよし、ここからは自分のスタイル次第ですね。 個人的には、見落とされがちな、実力のある割安株が再評価されるような相場展開を望んでいます。成長分野ではなくとも、がんばっている企業はたくさんありますし、そんな企業には、それなりの株価で報いてあげたいですね。それに、物色対象が広がったほうが、今の好調な相場が長続きしそうですから。くれぐれも、調子に乗り過ぎること無く、相場が活況なときほど慎重にいきましょう。それでは、皆様健闘をお祈りいたします。
いやあ、すげえ相場だねぇ。やり過ぎとか過熱とかいう意見も、なんもかんも吹っ飛ばすような相場じゃねえか。いいねえ。そんでな、過熱とかピークとかいう声もあるけどよぉ、結構いい話もあんのよ。「あ、こういうことならまだまだ相場もあがるな」って感じの話よ。でな、逆に「それはやっぱ、やっちゃあいけねえよ」っていう話も多いんだよね。このへんが、悩ましいところよ。 例えばな、最近の外資系投信の小型株ファンドあんだろ、あの何だっけ、秀吉だっけ??紫式部?あれ違った??サタン?のわけねえか。まあそんなような名前のファンドよ。すげえよね、半年で5割とかそれ以上上がっている。ようやく日本にも儲かる投信ができてきたってことだな。ヨカッタよ、みんな頑張っているだから。そんでよ、ちょっと前までと違うのは、こういう儲かったファンドに金が集まることよ。今までだとな、乗り換えさせて手数料がほしい営業マンがすぐに「売りましょう」とかいって、どんどん解約されてったんだけど、最近は成績の良いファンドには金が集まる傾向があるそうだ。 でもな、そういったファンドの組入れ上位銘柄をそのまま客に勧める、ズボラな営業マンもいるのよ。なんでも、どこぞの雑誌では、どんな銘柄が買われているか点数つけてリストにしてたそうじゃねえか。まあ、それはマスコミの自由だけどな。でもそのリストをそのまま、営業資料にしちゃうってのはよ。やっぱやっちゃあいけねえんじゃねえか。まあ、確かに良い銘柄なんだろうけど、だからって、安易にちょうちんつけちゃあ、相場が歪むってもんよ。このままだと、だんだん危険な相場になっちまうよ。 あとなあ、あのファイナンス銘柄の上昇な、これもいけねえよ。たしかにここんとこヤフーとか公募増資した銘柄は、その後株価上昇しているよ。でもなあ、公募増資発表したら次の日ストップ高ってのはやり過ぎじゃねえか。まあここ何年も新株発行なんてなかなかできなかったからな、ようやく株式市場も正常化してきたと前向きに捉えることもできるけどよ。公募増資したらさあ株数増えるんだよ。一株利益は下がるんだよ。1株利益が10%下がりますと言っている銘柄を、将来性が高まったといってその日に20%も高い株価まで買ってんだよ。これはさあ、ちょっと考えもんじゃねえか。 新規公開に何百倍ものPER付けるのもそうよ。社長が、うちはそういう会社じゃないっていってんだからさあ。社員、株売って退職したら業績下方修正になんだよ。このままだとさあ、新規公開株の公募売出株のPERが100倍になってよ、既存銘柄は猫も杓子も公募増資(やれば株価あがるんだからな、やるべきだろ)すんだろな。そんで気が付いたら需給はボロボロになって株価は暴落。まあそうなると、証券会社はマスコミから公募価格の決定方法がおかしいとか、安易なファイナンスで手数料を稼いでいるとか、また叩かれるだろうな。まあそんなことはどうでもいいけどね。 せっかく良い相場なんだから、自分で自分の首を絞めちゃあもったいねえよ。その辺のとこをよーーーく考えないと、あとで後悔すんよ。オーーイ委員長、酒もう一杯、あれ駄目??そうだよな飲み過ぎはいけねえよな。そんじゃ、おやすみ。
最初「牛丼3兄弟」と書こうとしたのですが、あっちこっちでコピーがでてましたので、止めました。いやあすごいですね。最近の店頭市場。過熱気味とか、銘柄がないなんて言ってたアナリスト諸氏を嘲笑うかのように爆騰しています。 それで牛丼3社のはなし。この業界では、ご存知のように吉野家がダントツです。で、このダントツの吉野家が眠れる牛のごとく万年割安なので、他の牛丼屋も買われにくいという状況が続いていました。しかし、松屋もゼンショーも、よく見りゃここ数年で、利益が何倍かにかっているんですよ。機関投資家は、経常利益が小さすぎるとか、業界トップより高いPERは変だとかいって買わないうちに、こういう銘柄がどんどんあがっているんですよね。そしたら、なんと眠っていた大牛まで目を覚ましてきました。いままでなかったことです。業界下位企業から業界が見直されたことなんて。 最近の特徴です。業績がしっかりしているのに見捨てられたような割安株が、いつのまにか上昇している。株式市場も正常になってきました。もう、割安な株を見つけても、1人でやっているかくれんぼのように「他の人が気が付かなくて、ズーッと割安なままなんじゃないかな」なんて心配はしなくてよさそうです。もちろん四季報などの情報を鵜呑みにしてもいけません。過去にもあとで下方修正なんてことはいくらでもあります。とくに現段階の2001年3月期の数字は、あんまりあてにしないほうがいいものもあります。 ただ、成長している企業・割安な株を探す楽しさに、株価の上昇というご褒美がついてくるようになりました。もう、動いていない株なんてほとんどありません。ポイントは水準です。どれぐらい上がったかではなく、今の水準が割安か割高か。株価が2倍になっても割安な場合もあります。逆に下がっても割高な場合もありす。出遅れ株を探すのではなく、割安株を探す。これが基本です!!
弁之助委員長の気が狂いそうな決算発表もピークを過ぎようとしていますが、最近の店頭市場では、この決算内容に株価が一喜一憂する展開がつづいています。さて、ここで問題。フォーバル、日本MIC、アトラス、日邦産業、これら銘柄の共通点は? 答えは、「21日に決算を出した」「99年3月期は赤字だった」「2000年3月期の会社計画は黒字回復になっている」「週明けの5月24日に株価が上昇した」。そう、これら銘柄は今期の黒字回復を期待して株価が買われているのです。業績のV字回復は、投資家からすると非常に魅力的ですから、こういう銘柄を探して投資するのも一法なのでしょう。まだこれからも出てくるでしょうね。 でも、ちょっと考えてみてください。これら企業は1年前から赤字予想だった訳ではありません。つまり期中に下方修正して結果的に赤字になったのです。ということは、今年も同じパターンかもしれません。もちろんきちんと黒字になるかもしれませんけどね。4社の黒字回復シナリオを否定している訳ではありません。なぜなら、私はこれらが何故赤字になったかも、どういう理由で黒字になるかも知らないからです。知らないものは判断ができません。投資されている方は目算があるのでしょうか。 今の時期、皆、決算数値を血眼になって追っかけます。会社計画数字は大事なヒントです。でも「鵜呑み」は危険です。とくにV字回復を掲げてる企業はVがLになってしまうことも少なくありません(L字低迷)。リスクをリスクとして感じていれば結構です。 赤字が黒字に回復する局面は、投資の醍醐味でもあります。国土総合、イセキ開発などは無事、今期黒字となりました(あ、イセキは連結赤字ですね)。個人では、決算数字は入手できても、会社計画の内容、根拠などはなかなか確認しにくいのが実状でしょう。ただ「あくまで計画は計画であること」を認識する必要があります。あとは各社の癖を覚えておくことですね。下方修正の常連とか、出てきた数字は必ずクリアするとか、そいうのは続くものです。その辺に充分注意してください。
ご無沙汰です。ちょっと冬眠していたんですが、寝過ごしまして気が付いたら、GWも終わっていました。お約束の時期より1ヶ月以上遅れましてすみません。このコーナーも無くなっているんじゃないかとヒヤヒヤでしたが、残ってましてありがとございます。 で、その寝ている間に、何が何だかわからないような相場展開になっていまして。日経店頭平均は、おぉぉぉっ1200円。ヘーー、ヤフーって4000万円になったんだ。ええっ??これって分割しているの???、1株を2株!!!3月の売買高は史上最高ですか。ありゃ、4月もですか。アルファシステムの初値は公募価格の4.5倍!!! あ、これも史上最高ですか。すごいですね。これは、今年は阪神が優勝だぁぁぁぁぁ!!!、なんてどこぞから声が聞こえてきそうですが。 あれ、マーケットメークどうしちゃったんですか、ヤフーはとりやめ、ありゃトレンドマイクロもTHKもですか。なになに、投資家からクレームが来た。そりゃそうですよ。MMって投資家からすれば、売買コスト上がるんですから。しかも電話注文で面倒くさい。加えて、この活況でしょ。最近「店頭株は流動性が低い」なんていう人いないでしょ。MMのメリットは、低い流動性を高めること。そんなもの必要としない相場展開なんですから。あ、でも。今日の日経に出てましたね。野村證券がMMの値付けをシステム化。いやあ、久し振りに業界トップらしい対応で(失礼)。新聞記事だけじゃ、よく解からないけど、きっとスムースに売買できるんでしょう。あとは、スプレッド(売りと買いの気配の幅)が縮むかですね。 まあ、取り敢えず。本日はごあいさつということで、この辺にしておきます。これから書かないといけないこと沢山ありますね。ヤフー株のこと、新規公開のこと、業績のこと、まあ、みんなで頑張ります。それでは。
まず、そもそもMMとはなにかという問題です。マーケットメーカー(以下Mメーカー)と呼ばれる証券会社がいて、その証券会社が自分の資金で他の投資家や証券会社からの売買注文を受け、売買を成立させることをMMといいます。従来、アメリカはMM制度のもとで株式市場が発達してきました。ですからNASDAQは当然、NY証券取引所にもMメーカーがいます。これが大きなポイントです。NASDAQとNY証券取引所の違いは、MメーカーがNYは1人もしくは1社と独占であるのに対し、NASDAQは2社以上の複数のMメーカーが競争的にMMを行っているということです。 さて、日本の証券取引所にMメーカーはいません。才取会員という人がいて、彼らが売買を成立させますが、彼らは機械的にルールにのっとって売買を成立させていくだけで、そこで売買差益を抜こうとか、売却益を稼ごうということは考えていません。売買が成立した株数に応じて、幾分かの手数料を取ります。投資家にとっては、売買コストの低い良いシステムであり、フェアなマーケットと言えます。 店頭市場は本来、取引所の無い相対売買のマーケットですが、取引所をお手本に日本ジャスダックサービス(旧日本店頭証券)というところを作り、そこに取引所の役割を果たさせることで現在まで発達してきました。さて長引く株式市場の不振。なかでも店頭市場は不振の象徴とされ、何とかしないといけないという話がどこからか出てきました。そこで、通産省や証券取引審議会というところで議論がなされ「日本の店頭市場はMM制度がなくて流動性が低いから発展しない。米国NASDAQのようにMM制度を作れば活性化する」というありがたいお言葉を頂きました。そこで店頭市場を管理する日本証券業協会も市場改革をしない訳にいかず、昨年夏からいろいろ検討を始めました。その中の目玉がMM制度だったわけです。 最初、証券会社は皆、嫌がりました。あまり儲かりそうもなかったからです。しかしある証券会社からでた1つの要求が、状況をがらりと変えました。「MMをする銘柄の注文はすべてMメーカーに集め、ジャスダックサービスでは受け付けるな」というものです。ある面、これは利に叶っています。そうでなければ、通常はコストの低いジャスダックサービスに発注し、困ったときだけMメーカーを使いますので、証券会社はまず収益があがりませんし、制度が定着するとも考えられません。 さて制度がスタートしました。とにかく急いでやれというあちこちからの圧力があり、証券業協会も新証取法が施行される98年12月からマーケットメーク制度をスタートせざるを得ませんでした。その結果システムが間に合いませんでした。一番の問題は、Mメーカーと他の証券会社を繋ぐオンラインシステムが無いことです。すべて証券会社間の連絡は電話で行われています。それまでのJASDAQシステムがすべてオンライン処理していたことに比べると非常に不便です。 さて実際の売買ですが、ややこしいことに価格は機械的に決定しません。MM制度とは、交渉で価格が決まる制度なのです。画面に1000円買い、1100円売りと出ているとします。このとき1050円でも、1070円でも成立する可能性があるのです。Mメーカーは自社で出している売り買いの気配の間であれば、いくらで売買を成立させてもいいのです。さらにややこしいことを言えばMメークになっていない証券会社でも、顧客からの注文を受けることは出来ます。Mメーク以外の証券会社はクイックなどに出ている、最善の売り買いの気配値の間であれば、自分の勘定で顧客の注文を受けてもいいのです。ではMメーカーとなにが違うかと言えば、それは他の証券会社からの注文を受けられないということです。 実際には、一部の大手を除いてほとんどの証券会社はMメーカーに注文を取り次いでいいるようです。この時、必ずしもベストの気配を出しているMメーカーに電話するとも限りません。株数が多いと注文を受けてくれないとか、電話が繋がりにくいとか、いろいろあるんです。あと一つ、Mメーカーと他の証券会社の売買も出来高にカウントされます。例えば新規公開銘柄の売買初日など、大手といえども幹事でなければ手持ちの株がありません。ですから、1、Mメーカーの顧客がMメーカーに売る、2、Mメーカーが他の証券会社に売る、3、その証券会社がそこの顧客に売る、という3段階の売買が多発します。そのために出来高は見た目すごく多くなります。手口という概念もなくなります。従来の方法になれた日本の投資家には、非常にわかりにくい手法です。繰り返しになりますが、情報端末などに出ている売り買いの気配は、その値段なら確実に売買を執行するという上限下限であって、その間のどの価格でも交渉次第で売買が成立する可能性はあります。ですから価格形成は不透明になります。日本の取引所の方式の方がフェアであるといわれるのはこのためです。 アメリカでも日本のようにMM制度のない取引所にするべきという意見はあるようです。しかし、むかしからMM制度を前提に株式市場が発達し多くのMメーカーが収益を上げている状況で、いまさらMM制度をやめられません。日本が手本にしようとしているNASDAQでは数年前にMメーカーが談合で価格を決定し、不当な利益を上げていると訴えられ負けています。ですから今回、MM制度が導入されたことで一番怒っているのは海外の投資家です。そして一番喜んだのは海外の証券会社です。今回の日本のMM制度は米国などと比べると、非常に証券会社が収益を上げやすいようになっているからです。アメリカでどんどん規制が厳しくなって収益が上げにくくなっているときに、日本に天国のような市場ができました。 なぜ、そのように収益を上げやすいようになっているのでしょうか。それはMMを行う証券会社が収益を上げられなければ、だれもやらないからです。証券会社の事業は慈善事業ではないので当然、利益が上がらなければやりません。現状では、収益を上げやすくしないと制度そのものが立ち上がらないのです。現在の投資家からの不満は、流動性が十分にある銘柄でMMが行われるという問題です。たしかに流動性確保のためのMMですから、流動性が十分にあるジャフコだとかTHKのMMをなんでする必要があるのかという疑問は出ます。ここで収益の問題になります。MMはコストがかかります。それは単に自己でポジションを持つリスクとかいう以前に、人員を配置し、パソコンなど機器を置き、電話を引くコストです。何人もの社員に給料を払うためには、1日数千株の銘柄では無理なのです。で、結局商いの多い銘柄からになります。 さて、今後MMはどうなるのでしょうか。理想的にはMMする銘柄が増え、証券会社がノウハウを貯えることで、各銘柄のスプレッド(売り買いの気配の差)が縮まることです。現在のところ証券会社からは、投資家に対し「しばらく猶予期間を下さい。少しづつ改善していきます」というしかないでしょう。 投資家が流動性確保のための必要コストと納得できるだけの額に、スプレッドが縮小すれば投資家も納得してもらえるはずです。もう一つ大事なことは、MM制度がスタートしてから店頭市場が本格的な下げ相場を経験していないことです。市場が暴落したとき、MMがどの程度顧客の注文に応えられるかが投資家にとってMM制度の必要性を理解してもらえるかのキーとなります。 まだまだやることは沢山あります。欧米のようにMM専門の証券会社も必要でしょう。幹事証券の引受セクションとMMセクションさらに調査セクションとの線引きなどのルールもあいまいです。アメリカのNASDAQも20年以上かけて現在のようになりました。NASDAQを目指すことが正しいか疑問ですが、取りあえず一歩を踏み出してしまいました。市場を育てるには長い時間が必要です。証券会社、投資家、発行会社、市場管理者、みんなで考えていく問題です。この問題、少し長い目で見てください。日本の証券市場にとっては非常に重要な問題です。
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